さあ、いよいよ関係代名詞の勉強です。「猫が踊っています。踊っている猫を見て欲しいんです。」こんなとき英語ではどういうでしょう?

Look at the cat. It is dancing. 「猫を見てごらん。踊っているよ。」 ですね。では、このふたつの文をひとつにしてみましょう。じっくり考えてみてくださいね。

前置修飾

The dancing boysのdancingは、前置修飾でしたね。これをまねして、The dancing catにしてみましょう。Look at the dancing cat. 「踊っている猫をみてごらん!」 ですね!

後置修飾

こんなふうに2つの文もすっきりとひとつにまとまるのが、現在分詞のdancing なのですが、Look at the cat. It is dancing.は、後置修飾でひとつにつなぐこともできます。でも、Look at the cat dancing.とは言いません。なぜなら、dancingが1語だけの修飾語だからです。前置修飾と後置修飾の使い分けルールについては、前回の「後置修飾ってなに?」で詳しく説明しています。

関係代名詞

では、どうやって後置修飾で1つにつなぐことができるのでしょう?ここで登場するのが、関係代名詞です。関係代名詞を使ってひとつにつなぐのです。

Look at the cat which is dancing. です。

さて、Look at the cat. It is dancing. と Look at the cat which is dancing. をよく比べてみてください。ほとんどいっしょだと思いませんか?そうなんです。It が関係代名詞whichに変わっているだけなんです。Look at the cat which is dancing. を日本語にしてみましょう。ふたつの文なら、「猫をみてください。踊っています。」ですが、一つの文になると、「踊っている猫を見てください」となります。日本語なら「踊っている猫」というふうに、修飾語の「踊っている」が、猫の前にありますが、英語では、修飾語が2語以上になると後ろに来て、後置修飾になります。だから関係代名詞節のwhich is dancingは、the cat の後ろに置きます。まさに後置修飾ですね。関係代名詞節は形容詞のはたらきをします。文がひとつのかたまりとなって、前の名詞を修飾しているのです。さっきの前置修飾の the dancing cat の dancing の代わりです。

関係代名詞ってなに?

ところで、関係代名詞ってなんでしょう。じつは、あるものが関係代名詞に姿を変えただけなんです。なにが関係代名詞whichになったんでしょうね?

Look at the cat. It is dancing. → Look at the cat which is dancing. をもう一度よく見てください。the cat. と It は同じものですね。Itとは猫のことです。だから、It をwhich に変えて、which is dancingにthe catを説明させているんです。 関係代名詞を使った後置修飾ですね。こういう場合、説明されるthe catを先行詞、説明するwhich is dancingを関係代名詞節と呼びます。

関係代名詞は二つの文をつなぐ

関係代名詞とは、二つの文をつなぐ働きをします。たとえば、Look at the cat. It is dancing. では、Itは the cat その猫のことですよね。こういうとき、It を関係代名詞 which に変えて、which is dancing というかたまりにして the cat のうしろにつけることで、the cat を説明してやるのです。すると、Look at the cat which is dancing. 「踊っている猫を見てごらん」になります。このとき、関係代名詞節のまえにある the cat は先行詞と呼ばれます。先行詞the cat は後ろにつづく関係代名詞節which is dancingに修飾されます。修飾されるとは、言い換えると説明されるということです。

では、説明したいものを人間に変えてみます。Look at the boy. He is dancing. を関係代名詞でつないでみましょうか!Look at the boy who is dancing.になります。あれ?似てるけど何かが違いませんか?そうですね!先行詞が the cat だったときには関係代名詞はwhich でしたよね。the boyだと、who になっていますね。

そうなんです。先行詞によって関係代名詞は使い分けるのです。人間なら who で、人以外なら which なんですよ。そう!関係代名詞は、人以外を説明するときは、人を説明するときはwhoなんです。先行詞によって関係代名詞は使い分けるのです。

目的格の関係代名詞

では次に、Show me the cat. You bought it yesterday. を関係代名詞でひとつにつないでみましょう。「猫を見せてください。昨日君は猫を買ったんだよね。」 という意味のこの英文、You bought it yesterday. の it は、the cat のことですね。あれ?the cat it のはずなのに、the cat と it は離れてますね。どうしたらよいのでしょう? それもそのはず、 You bought it yesterday. の it つまり猫は、boughtの目的語なんです。でも、目的語でも関係代名詞に変えられますよ。the catit が離れていますが、だいじょうぶです。さあ、つなぎますよ。

Show me the cat which I bought yesterday. うまくいきました!It が 関係代名詞 whichに変わって、ひとつの文になりました。「君が昨日買った猫を見せてください。」ですね。

じつはこの関係代名詞は、目的格の関係代名詞と呼びます。You bought it yesterday. の  it はbought の目的語だからです。英語では目的語は動詞の後に来るので、説明される the cat とは離れているのですが、関係代名詞に変えると、すぐうしろにつくので、あ、the cat の説明だな!ということがわかります。

では、説明したいものを人間に変えてみます。That boy is Ken. I met him yesterday. 「あの少年はケンです。私は昨日初めて彼に会いました」 これを関係代名詞でつないでみましょうか!That boy のことは、I met himhimです。だから、himを関係代名詞に変えてThat boyを説明しますよ。

That boy who I met yesterday is Ken. 「私が昨日はじめて会った少年はケンです」を人が先行詞のとき、関係代名詞はwhoです。himをwhoに変えました。

主格の関係代名詞

これに対して、Look at the cat. It is dancing. の Itは、主語です。主語が関係代名詞に変わった場合は、主格の関係代名詞と呼びます。では、主格の関係代名詞、目的格の関係代名詞を、先行詞別に整理してみましょう。

関係代名詞の使い分け

     先行詞            主格            目的格

          人         who,that          (who,that whom)

     人以外                       which,that               (which,that)

主格のときには、先行詞が人ならば、who、人以外なら which でしたね。あれ?that? そうなんです。じつはthat でもいいのです。thatは主格、目的格、どちらでも使うことができます。便利ですね。

目的格のとき、先行詞が人ならば、who、人以外なら which です。主格、目的格共通なので、むずかしくありません。そして、目的格でもthatは共通して使えます。

あらら?目的格の関係代名詞、すべてカッコに入っていませんか?そうなんです。目的格のときは関係代名詞は省略できるのですよ。

そして目的格では、人が先行詞のとき、whomというのがあります。じつは、目的格で人が先行詞のときは本来はwhomだったのです。でも今では、会話では使われなくなりました。それで中学校の教科書からも消えてしまったんですよ。でも英検では出題されますから、知っておいたほうがよいです。

かくれている関係代名詞はなに?

さて、The woman you met yesterday is my sister. この文のどこに、どんな関係代名詞がかくれているでしょう? そうですね、The woman のあとです。かくれている関係代名詞は何ですか?先行詞が人なので、who か that ですよね。

さて、皆さんは、関係代名詞ってややこしいな~、むずかしいなあ~と感じるかもしれませんね。でも、わかってしまえば関係代名詞はシンプルです。公式どおりなので、練習すれば得意になれます。あとは慣れていきましょうね。

このあとはHP会員ページのスキルアップ編で、練習です。主格の場合、目的格の場合、先行詞が人の場合、人以外の場合、、、いろんな文で実際にためしてみましょう。

 

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