受け身(受動態)とは

今日は英語の受動態の勉強をします。受動態は受け身とも呼ばれます。日本語で「~される」という意味だからですね。中学英語では、受け身と呼ばれるのが一般的なので、ここでも受け身と呼びますね。

これに対して能動態というのは、能動的に行動するっていう意味です。能動的、つまり主体的に自分の意志で、という意味ですね。つまり、能動と受動は正反対なんです。

We speak Japanese in Japan. は「わたしたち日本人は日本語をしゃべる」ですが、受け身では Japanese is spoken in Japan.で「日本では日本語が話される」です。この二つの文は同じ意味の文として 書き換え問題などによく出題されますが、じつはニュアンスはずいぶん違います。能動態のほうは、主語が we です。英語では主語が重要なので、この文だとwe つまり、わたしたち日本人 ということにスポットがあたっているということなんです。

しかし、受動態では、Japanese が主語ですから、日本語が主役だということなんです。この受け身の文では、だれが日本語をしゃべるのかということには重きはおかれません。日本人が日本語をしゃべるというのは当然のことだからですね。 受け身はこのように、 だれが というのをことさらに言わなくてもよい表現なんです。

さて 能動態 We clean the room.  は We  が主語で clean が動詞、the room は目的語ですね。ところが受け身では、目的語 the room が主語になります。そして 動詞は Be動詞 そのあとに cleanedという clean の過去分詞を付けます。 最後に  we を  by us に変えて、だれが掃除するのかをはっきりさせることはできますが、とくに言う必要がないときは、省略されます。英語の受け身というのは、だれがやったのか重要でないときやわかりきっているとき、また 誰がやったのかよくわからないときによく使われます。そんなときには、だれがやったかを言わずに済ませることができるのです。

受け身(受動態)の文の作り方

では、実際に受け身の文を作ってみましょう。 The room is cleaned by us. の主語は The room です。能動態の文の We clean the room の 目的語 the room が 受け身では主語になります。 そして Be動詞+過去分詞を主語のあとに続けるのです。過去分詞というのは、基本的に「~されている」という受け身の意味をもっています。でも、ed が語尾について動詞ではなくなっているので、前にBe動詞をつけるのですね。Be動詞は状態をあらわす動詞ですから、「~されている」という状態を完璧に表現できるのです。

では こんな場合はどうでしょう。I listened to him. は「私は彼のいうことに耳を傾ける」という意味なんですが、listen のあとに to という前置詞があります。 Listen to はいつもひとかたまりで使われるからですね。こういうときの him は 前置詞の目的語と呼ばれます。 だから、to  のあとは he ではなくて 目的格の代名詞 him なんです。

そこで、耳を傾けられる側を主語にすると、He was listened to by me.  となります。  byも前置詞なので、うしろは I ではなく 目的格のme です。さっきの I listened to him. から He was listened to by me. への言い換えだと、前置詞to のあとの目的語は目的格 him が使われていますが、受け身の文の主語になると、主格のhe に変わっています。主語だった I は、受け身だとby の目的語になるので、目的格のme  に変化していますね。慣れればどうってことはないのですが、最初はややこしいなあ!と思いましたね。 でもこの代名詞の格変化の表、「はがのをに」の表を理解することはとても重要です。(以下「はがのをに」の表と呼びます)英語の代名詞ががこんなふうにいちいちかたちを変えるのは、日本語とちがって「はがのをに」がないからなんです。

「はがのをに」ってなに?

      *「英語と英語脳」参照

I listened to him. は、日本語にすると、「わたしは彼のいうことに耳を傾けました」といってもよいし、「彼のいうことにわたしは耳を傾けました」と言ってもいい。「耳を傾けたんですよ、わたしは彼に。」と言ってもいいですよね。日本語には 「はがのをに」、つまり助詞があるから、どんなふうにもニュアンスを変え、彼を強調することも私を強調することもできるんです。

それに対して助詞のない英語は、順番を決めかたちを変えることで、助詞のかわりを果たします。He was listened to by me. 「彼はわたしによって耳を傾けられる」なんていうような、なんとも奇妙な受け身の文で表現する必要はないんです。

能動態と受動態

さて、はなしを戻しましょう。能動態 He wrote the book. は「彼はその本を書いた」受け身の The book was written by him. は「その本は彼によって書かれた」

I found the map.は、「私が地図を見つけた」受け身のThe map was found by me. は「地図はわたしに見つけられた」この日本語、変ですね。

They speak English in the U.S.. は「アメリカでは人々は英語を話す」受け身で English is spoken in the U.S.. は「英語がアメリカでは話される」です。この場合の能動態のthey はアメリカの人たち一般のことを指します。当たり前のことですから、受け身のときにわざわざ by them をつけることはありません。

We study math in Japan. は、「日本では数学を勉強する」ですが、 受け身のMath is studied in Japan. では、by us をつけることはありません。この場合の we がわれわれ日本人一般を指すからです。受け身の文は、「はがのをに」の表がわかっていれば、こんなふうに位置を変えてパズルみたいに作れるのでかんたんです。

受け身の疑問文と答え方

次は 受け身の疑問文です。 The book was written by him. は疑問文では、Was the book written by him? です。 直訳すると「その本は彼によって書かれましたか?」です。これも日本語としては、不自然ですけどね。

Math is studied in Japan. は Is Math studied in Japan? 「数学は日本で勉強されていますか」です。さて、この二つの疑問文には共通点があります。なんでしょう。

そうです。 Be動詞が一番前に出たことですね。あとは何も変わりません。?がついたことぐらいですね。

今度は、受け身の疑問文に答えてみましょう。 Was the book written by him? と聞かれた時の答えは、Yes, it was.  か No, it wasn’t.  です。

Is Math studied in Japan? と聞かれた時の答えは Yes, it is.  か No, it isn’t. です。

Be動詞の疑問文とその答え方と同じですね。むずかしいことはないのですが、主語が the book とMath ですから、答えるときは it で答えましょうね。英語は一度話題に上ったものを繰り返すときは、必ず代名詞に変えます。みなさんもテストで経験があると思いますが、長文問題で it とか theyとかの代名詞にアンダーラインが引いてあって、このことばが指しているものを具体的に答えなさい!という問題がよくありますよね?これは英語のこの性質のせいです。英語では、代名詞がいたるところに出てきて、それがなにを指しているかがわからなければ、なにを言っているのかさっぱりわからないのです。代名詞は英語で超重要なんですよ。 だから、「はがのをに」の表はぜったいに覚えましょうね。

受け身の否定文

今度は、受け身の否定文を作ってみましょう。動詞がBe動詞なので、Be動詞のうしろにnotをつけるだけです。

The book was not written by him.

The map was not found by me.

English is not spoken in the U.S..

Math is not studied in Japan.    これもまた、かんたんですね。

日本語と英語はこんなにちがう

さて、受け身の学習を通して、英語と日本語の違いが見えてきましたね。日本語は日本人の感性そのものです。英語を読むとき、しゃべるときは英語の発想をする、しかし、わたしたちは日本人として、日本語をたいせつにしなければなりません。わたしは日本語をとても愛しています。日本語を愛する日本人の目から見て、英語の表現や文法の、われらの日本語と違うことがおもしろいのです。

そして、英語の文法は とてもシンプルだと思いますから、みなさんはまず、中学校英語で英語のしくみをマスターしてください。それができれば、あとは単語を覚えて語彙を増やせばOKです。日常的な会話なら、中学校英語が最適なんです。

         

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