to不定詞とは
今日は、to不定詞の勉強です。ん?to不定詞ってなんだったっけ?と思いましたか? to+動詞の原形で、「~すること、~するための、~するために」と中2で習うあれです。実は to不定詞 という文法的名前があるのです。今日はこの「~すること、~するための、~するために」という3つのto不定詞を、日本語脳ではなく英語脳で理解する方法を伝授します!
それにしても、to+動詞の原形が出てくるたびに、「~すること、~するための、~するために」と日本語をあてはめてみて、どれかな?どれかな?って考えるのは、たいへんですよね?だから今日は、もっとかんたんにスッキリ英語脳で理解できる方法をお教えしますね!
ちなみに日本では、名詞的用法 は ~すること
形容詞的用法 は ~するための、~するべき
副詞的用法 は ~するために ということになっています。 では、この3つの名前のもとになっている名詞、形容詞、副詞ってなんでしょう。
名詞とは
名詞ってどんなものでしょう?これがわかればto不定詞の名詞的用法と呼ばれる意味がわかります。
I want the book. 私はその本が欲しい。この文の中では名詞はどれですか?名詞は、I と book なんです。名詞というのは、かんたんにいえば、【ひと、もの、できごと】です。book は ものの名前ですし、I は自分を表す代名詞です。ものの名前、人の名前、国の名前、地名などは、ぜんぶ名詞で、名詞をかんたんに表す代名詞も名詞の一種です。代名詞って覚えていますか?中1でなんども練習したあの I my me mine you、 your you yours ...の表、あれは代名詞の表でしたよね。
では、名詞を文の中で見つけるコツをお教えしましょう。まず、主語はかならず名詞です。主語ってどこにあるんでしたっけ?はい!英語ではふつう文の最初です。疑問文になると順番が変わりますが、ふつうの文なら最初です。
I want the book.
Ken is a dancer of that team.
この2つの文では、名詞は主語の I と Ken、 補語の dancer、 目的語の book と、 前置詞of の目的語である team です。
次に、目的語が、かならず名詞です。 I want the book. の book はわたしが欲しいと思っているものなので、目的語です。
では、補語ってなんでしょう。補語は名詞を補って言い換えるものです。Ken is a dancer of that team.では、主語のKenを補って言い換えているのが a dancer ですね。ケンはあのチームのダンサーです という意味のこの文、ケンがダンサーなんだから、ケン=ダンサーです。ここでは is が です という意味ですから、= のはたらきをしていますね。 だから、dancerは補語です。でも注意しなければならないのは、実は補語が必ず名詞とは限らないということです。
Ken was depressed. ケンはがっかりした この文の補語 depressed は形容詞なんです。
to不定詞の名詞的用法
では次に、To不定詞で名詞的用法というのはどんなもの? それは、名詞の代わりに to + 動詞の原形を使ったケースです。
I want the book. の目的語 the book を to buy the book に変えると、I want to buy the book.です。
to buy the book は名詞の代わりなので、「その本を買うこと」という意味になり、やはり want の目的語なんです。この文は日本語的に言えば、「私はその本を買いたい」という意味ですけど、英語的に日本語にすれば、「私はその本を買うことを欲する」です。to buy the book 「その本を買うこと」は、want の目的語でto不定詞の名詞的用法です。
形容詞とは
次に、形容詞ってどんなものでしょう。形容詞は、名詞や代名詞を説明することばです。 She is kind. という文では、kind が形容詞で、「彼女は親切です」と、主語 she を説明しています。 She is a kind girl. という文では、やはり kind が形容詞なのですが、She is kind. と違って、すぐ後ろにgirl があります。このgirl を「親切な女の子」というふうに説明していますね。このように、うしろに名詞があれば、形容詞は名詞の前にあり、その名詞を説明します。英文法では、このように説明することばのことを修飾語と呼びます。そして、ある言葉がある言葉を説明することを修飾すると呼ぶのです。
to不定詞の形容詞的用法
では次に、To不定詞の形容詞的用法です。形容詞的用法ってどんなものでしょう? それは、形容詞の代わりに to + 動詞の原形を使ったケースです。
I have many questions.では many が形容詞ですが、I have many questions to ask her.では、many は形容詞、 to ask her は、to不定詞の形容詞的用法です。形容詞はふつうなら、名詞の前にあるのですが、to不定詞の形容詞的用法は、名詞のうしろにあって、前の名詞を説明するのです。だから、「私には彼女にたずねる(べき)ことがたくさんある。」という意味になります。to不定詞の形容詞的用法 を使えば、前に、manyという形容詞があっても、さらに、長めの語句をうしろに付け加えて、questionsを説明することができますね。
副詞とは
次に、副詞ってどんなものでしょう。形容詞は、名詞を説明することばでしたが、副詞は名詞以外を説明することばです。
I went to Italy last year.わたしは昨年イタリアに行った この文では、副詞は last year です。 Last year は、前の文全体か、または、動詞went を修飾していますよね。 だから、副詞は動詞か文を修飾しまーす!といいたいところなのですけど、
She is running very quicly. はどうですか?
副詞はどれ? quicly ですよね? quicly は 速く という意味で、「彼女はとても速く走っている」ですから、She is runningという前の文を修飾しています。ところで quicly の前の very はどうでしょう? very はquickly という副詞を修飾する副詞なんですよ。とにかく副詞は、名詞を修飾しない!と覚えておいてください。 ( 名詞を修飾するのは形容詞です。)副詞の範囲は広すぎて、とらえどころがないと感じるかもしれません。とりあえず今日は、動詞もしくは文を修飾する場合に限定して、To不定詞の副詞的用法を説明しますね。
to不定詞の副詞的用法
さあ、いよいよto不定詞の副詞的用法です。副詞的用法ってどんなものでしょう? それは、副詞の代わりにto + 動詞の原形を使うのです。
I went to Italy last year. この文では last year が副詞ですが、I went to Italy to visit museums. では、 to visit museumsは to不定詞の副詞的用法です。to不定詞の副詞的用法は、文のうしろにあって、前の文、またはその文の動詞を説明するのです。だから、「美術館を訪れるために私はイタリアに行った」という意味になります。
to不定詞の副詞的用法は「~するために」と訳せばよいので、なんのためにイタリアに行ったのかを言うことができるのですね。
まとめ
to不定詞の3用法をまとめてみましょうね。
名詞的用法は、名詞の代わりとしてのはたらきをします。日本語にすると、意味は「~すること」、主語や目的語、補語になります。ですから、主語や目的語、補語でないならば、名詞的用法でもありません。
形容詞的用法は、形容詞の代わりとしてのはたらきをします。日本語での意味は「~するための、~するべき」です。形容詞と言えば名詞の前にあるのがふつうですが、to不定詞の場合は、名詞のあとにつくので、位置に注意です。つまり、名詞のあとにto+動詞の原形があって、それが名詞を修飾しているようなら、形容詞的用法です。
副詞的用法は、副詞の代わりのはたらきをします。日本語での意味は「~するために」です。文の中では最後につくことが多く、一番前につくこともあります。文全体や動詞を修飾します。副詞なので、名詞を修飾することはありません。名詞のあとにto+動詞の原形があっても、それが名詞を修飾していないときは、この副詞的用法です。
さあ、こういうふうにはたらきがわかると、to不定詞もスッキリわかりますね。なにしろ to +動詞の原形 というスタイルですから、英語の中でもちょっと変わったいで立ちなので目立ちます。これに気づけば to不定詞だと気づくはずです。あとはいろんな文を見て読んで、慣れることが大切です。では、次はクイズです。
どれだろうクイズ
次の5つの英文のto不定詞が、それぞれ、~すること、~するための、~するために のどれに該当するかをあててみてください。
- I went to bed to sleep well.
- Tom wants something to eat.
- She wants to be a teacher.
- It is good to get up early.
- I’ll do my best to win the prize.
ちなみに、1の to bed はto不定詞ではありません。bed は名詞ですからね。to不定詞は to +動詞の原形です。toのうしろには動詞の原形が続くのです。
- I went to bed to sleep well. これはI went to bed まで読むと、❘わたしはベッドへ行った」です。後ろの to sleep well が修飾しているのは すぐ前の名詞bed でしょうか?それとも、動詞wentでしょうか? bed ならば、bed to sleep well で、「熟睡するためのbedへ行った」となります。少し変ですね。実は to sleep well は、動詞 went にかかるのです。 「わたしはベッドへ行った。熟睡するために。」ですね。動詞を修飾するので、副詞的用法です。
- Tom wants something to eat.の to eat はすぐ前に something という名詞があります。日本語にすれば、somethingは なにかあるもの という意味なので、トムは何かがほしい です。でも、何が欲しいのかはっきりして欲しいですよね。そこで、to eat をsomethingのうしろにつけました。すると、to eat は something を修飾する形容詞のはたらきをするようになり、トムはなにか食べ物がほしい という意味がはっきりしてきます。
- She wants to be a teacher. want という動詞は、うしろに目的語を取ります。目的語は名詞なので、She wants books.のように、名詞が来るのが普通なんですが、to be a teacher が来ると、名詞の代わりを果たすto不定詞だとわかりますね。
- It is good to get up early. は It is good で始まります。It is good は、それは良い なんですが、何がよいのかわかりませんね。このようにit がなにのことか分からないときは、仮の主語ではないかと疑ってください。仮主語は、うしろに本当の主語があります。本主語は to+動詞の原形のかたちをとっているので、見つけるのはかんたんです。It は「それは」ではなく、「早起きすることは良いことだ」という意味になり、名詞的用法です。
- I’ll do my best to win the prize.は I’ll do my best でわたしはベストを尽くす です。to win the prize は、賞を獲得するために なので、副詞的用法ですね。
英語の読み方
こんなふうに 英語は前から前から読んでください。日本語にしたときに不自然な感じがするのは、英語と日本語が順番が違うからです。でも、みなさんは英語脳で読み、英語脳で考えようとしているので、英語の表現を受け入れて、英語で考えながら読んでください。英語で考えるってどういうこと?むりむり!と思った人は、英語を声に出して読みながら、前から意味を理解していきましょう。英語は、はじめに大事なことを言ってしまうので、英語の順番のままで受け入れていきましょう。それで意味がわかるようになればしめたもの!それが英語脳です。それにしても、英語の順番のまま理解できるようになるためには、英語のしくみ、文法を知っておくことが大切です。