今日は原級、比較級、最上級の勉強です。この3つ、むずかしくはないのだけれど、形容詞や副詞を変化させるのがちょっと面倒なんですよね。しかし変化にもルールがあるので、そのルールを覚えれば大丈夫ですよ。

比較級というのは、何かとなにかを比較するっていうことでしょう?最上級って、みんなの中でいちばん背が高いっていうようなときに使うんでしょう?That‘sright! そのとおりです。では原級って? 原級は、形容詞や副詞が比較級、最上級に変化する前のかたちです。変化しないということはつまり、比べてはみるけれど同じ程度だから変化しない原級なのです。だからこんなときには、同じくらいの程度をあらわすas~asで原級の形容詞や副詞をはさみます。I am as old as Tom. 「僕はトムと同じ年だ。」は、原級のold を as~asで挟んでいますね。

ところが比較級は、Ben is  taller than me. 「ベンは私よりも背が高い。」の tall は taller に変化していますね。 こうやって erなどをつけて変化させることで、だれの目にもふたりを比較したことがわかるのです。

最上級は、Tom is the tallest of us. 「トムは僕らの中で一番背が高い。」のように、tall を the tallest に変化させて、みんなの中でいちばんを表すのです。仕組みはたったこれだけですから、単純なのです。

原級

では、まずいちばん単純な原級からです。原級は形容詞や副詞が、比較級、最上級に変化する前のかたちだって言いましたね。変化しないっていうことは、形容詞も副詞もそのままの形、つまり、old、tall、fast などの形容詞や副詞をそのままas~asではさむだけです。

I am as old as Tom. 「私はトムと同じ年だ。」は、原形の old を as~asで挟んでいますね。

Ben is as tall as my brother.  「ベンは私の弟と同じ身長だ。」

My cat runs as fast as yours.「私の猫は君のと同じくらい速く走る。」

どれもas~as で挟んであるだけです。

原級で気を付けなければならないのは、だれが、だれと同じなのか?ということです。例えば、I am as old as Tom.「僕はトムと同じ年だ。」という意味なのですが、「トムは僕と同じ年だ。」でも同じことだから、これでもいいのじゃないのかというと、それは違います。なぜならいちばん最初にあるものが、英語では主語なので、主語=主役なのです。勝手に主役を変えるわけにはいきませんよね?

比較級

比較級は、何かを何かと比較するのです。比較したというしるしにer を語尾につけ、そしてthan のあとに比較対象を続けます。

I am older than Tom. 「僕はトムよりも年上だ。」

Ben is taller than my brother. 「ベンは私の弟よりも背が高い。」

My cat runs faster than yours.「私の猫は君の猫より速く走る。」ということです。

比較級でも、主語<~は、が>に気をつけなければいけません。I am older than Tom. を「トムは僕よりも年上だ。」だと思ってしまうとたいへんです。

最上級

では最上級は? 比較級は、何かをなにかと比較したのですが、最上級は、何かが複数のものの中で一番ということです。そして、いちばんだったものや人が、主語になることができます。一番だというしるしに、形容詞、副詞の前にthe と、語尾にest をつけます。

I am the oldest of the four.「僕はその4人の中で一番年上だ。」

Ben is the tallest in my class.「ベンは私のクラスで一番背が高い。」

My cat runs the fastest of all the cats. 「私の猫はあらゆる猫の中で一番速く走る。」 ということです。

最上級で気を付けなければならないのは、何の中で一番なのか、ということです。数なのか範囲なのかでof と inを使い分けます。例えば、I am the oldest of the four.というのは、その4人の中で一番ということなので、of を使います。Ben is the tallest in my class.では、クラスという範囲の中で一番ということなので、inを使うのです。

原級、比較級、最上級の基本

原級 I am as old as Tom. 「僕はトムと同じ年だ。」

比較級 Ben is taller than me. 「ベンは私よりも背が高い。」

最上級 Tom is the tallest of us. 「トムは僕らの中で一番背が高い。」

原級、比較級、最上級の基本はこれがすべてです。しくみは単純です。

er,est をつけるときと、more,the mostをつけるとき

ところが、気をつけなければならないことがあります。じつは、比較級や最上級でer やest をつけるのは短い単語だけなのです。old , tall, long, short, hot,early のような短い単語です。では、長い単語はどうでしょう?

基本的なしくみは、短い単語のときと同じなので、心配はいりません。

原級のときは、er、the est はつきませんね。だから短い単語、長い単語は関係ないのです。例えば、He is as popular as Tom. 「彼はトムと同じくらい人気がある。」

She is as beautiful as Ann. 「彼女はアンと同じくらい美しい。」

Japanese is as interesting as English.「日本語は英語と同じくらいおもしろい。」 これら長い単語も、as ~ as ではさまれているだけです。短い単語のときと同じです。

ところが比較級となるとそういうわけにもいきません。長い単語にer をつけると、もっと長くなって言いにくいですよね。だから、前にmore を置いて、erはつけないのです。例えば、

He is more popular than Tom. 「彼はトムよりも人気がある。」

She is more beautiful than Ann. 「彼女はアンと同じくらい美しい。」

Japanese is more interesting than English. 「日本語は英語と同じくらいおもしろい。」のようになります。

最上級も同じです。長い単語にest をつけると、もっと長くなって言いにくいので、前に the most を置いて、estはつけません。

He is the most popular in Japan. 「彼は日本で一番人気がある。」

She is the most beautiful in her class. 「彼女はクラスで一番美しい。」

Japanese is the most interesting of all the languages.「日本語はすべての言語の中で一番おもしろい。」 となります。

では、er や est をつける短い形容詞、副詞 と more や the most をつける長い形容詞、副詞を整理してみましょう。

er や est をつける短い形容詞、副詞

young, strong, big, heavy, high, long, deep, large,  fast などです。

more や the most をつける長い形容詞、副詞

popular, beautiful, interesting, expensive, valuable, exciting, colorful, famous  などです。

不規則な変化をする形容詞、副詞

上の2種類に加えて、不規則な変化をするものがあります。

good – better – best

well – better – best

bad – worse – worst

many – more – most

much – more – most

little – less – least などです。たとえば

I like baseball the best of all the sports. の best は 一番好きという時の best です。「僕は野球がスポーツの中では一番好きだ」という意味ですね。いろいろな種類があってたいへんだと感じるかもしれませんが、比較級、最上級のしくみは共通してどれも同じです。

3音節以上の形容詞、副詞の原級、比較級、最上級

長い形容詞、副詞の原級、比較級、最上級をまとめてみます。

原級は He is as famous as Tom. 「彼はトムと同じくらい有名だ。」です。原級の場合は、短い形容詞、副詞のときと変わりませんね。

比較級は Ben is more famous than me. 「ベンは私よりも有名だ。」 ですが、more がfamousの前についていますね。

最上級は、Tom is the most famous of us. 「トムは僕らの中で一番有名だ。」です。最上級の場合も、the most がfamous の前についています。

でも、famousってほんとうに長いですか?長くありませんよね。 比較級、最上級に more, the most をつけるのは、ふつう3音節以上の単語だと言われています。でも、famous は2音節です。それなのになぜ more, the most をつけるのか不思議に思いますね。英語の比較級、最上級は、3音節以上の長い語はmoreや the most をつけますが、2音節でも-ful、-ous、-less、-ing、-lyで終わる語(earlyをのぞく)は前に、more、the mostをつけるのです。

こんなふうに例外もあって、比較級、最上級の作り方はすこしややこしいですね。この法則がめんどうだと感じる人は、それぞれの単語の比較級、最上級をケースバイケースで覚えましょう。

まとめ

原級は?

I am as old as Tom.

This book is as interesting as mine.

My cat is as cute as yours.

as と as のあいだはなにも変化のない原級です。

比較級は?

Ben is taller than me.

tall は1音節の短い単語なので、er を語尾につけます。

Tom throws a ball more quickly than me.「トムは僕よりも早くボールを投げる。」はquickly は ly がつくので、more をつけてmore quicklyです。 lyが語尾につくときは、ふつうmoreをつけますが、early は例外で、earlier です。

She likes vegetables better than fruit. 「彼女は果物よりも野菜が好きだ。」のように「よりも~が好きだ。」というときは、好きの程度を比較する better を使います。

最上級は?

I am the oldest in my town. 「僕はこの町で一番年上だ。」ですね。町は範囲をあらわすので、inを使いましょう。

English is the most popular of all the  subjects. 「英語はすべての教科で一番人気がある。」の popular は 3音節です。だから、the mostをつけます。

She likes Okayama the best in Japan. 「彼女は日本で岡山が一番好きだ。」の「一番好きだ。」は、比較級のbetter thanとおなじように、好きの程度を表す最上級bestを使います。

英語の原級、比較級、最上級

いかがでしたか?音節とは母音を中心にして、ひとまとまりに発音される部分のことですが、音節やmore,the most、語尾のルールが少しめんどうなと感じる人は、それぞれの単語の比較級、最上級をケースバイケースで覚えましょう。比較級、最上級のルールには例外があるし、中学校では学習する単語の数がそれほど多くないので、

small(小さい), smaller,  smallest
hard(熱心に),  harder,  hardest
useful(役にたつ),  more useful,   the most useful
difficult(困難な),  more difficult, the most difficult

と声を出して覚えてくださいね。