今日は、英語の時制、現在完了形の勉強をしましょう。現在完了形ってなんのこと?と思うぐらい、不思議なことばですよね。そのうえ時制と言われても、なんのことかわからない!っていうのが本音かもしれませんね。
時制とは
時制とは、過去、現在、未来 のような時に関する区別のことです。
日本語には時制がないという学者もいる
「昨日は入学式だった」は過去のことだから、だった の た が過去形なんでしょう? 明日は入学式だ は明日のことだから、 だ は未来形なのかな? でも、「今日は入学式だ」とも言うよね。~だった は過去形で、だ は現在形や未来形なのかな~。 いやいや、「しまった!寝坊した。今日は入学式だった!」っていう言い方だって日本語にはあるね。これは た だから過去形? いや、ちがうな~? と、頭の中を、はてなマークがぐるぐる飛び回るようなことになるのです。じつは、日本語には時制がないという学者もいるんです。
英語は動詞や助動詞で時制を表す
昨日、私はテニスをした。 I played tennis yesterday. (過去形)
10時に私はテニスをしていた。 I was playing tennis at ten. (過去進行形)
私は毎日テニスをする。 I play tennis. (現在形)
私はテニスをしているところだ。 I am playing tennis now. (現在進行形)
明日私は、テニスをしようと思う。 I will play tennis tomorrow. (未来形)
のように、動詞の形を変えたり、助動詞を動詞の前において時制を表すのが英語です。
英語は日本語ととても違うので、いちいち日本語に当てはめて意味を考えるよりは、英語の時制が表す<時>の意味を理解して、英語脳で考え、表現するほうがいいですね。
英語では過去形は、過去のできごと、過去におこなったことを表します。 動詞は played のような過去形に変えます。
過去進行形は 過去のある時点におこなっていた動作 を表します。 動詞は was playing のように、be動詞の過去形に動詞ing 形をつなげます。
現在形は いつも習慣的にすること を表します。 動詞は 原形か、三単現なら s や es をつけます。 気を付けなければいけないのは、現在形は意外にも、表す時の範囲が広いことです。たった今のことばかりではなく、日ごろの習慣や状態を表すからです。
現在進行形は 動作をしている最中 を表します。 たった今起こっていることがらなので、ここちらのほうが、日本人の思う現在形のイメージに近いかもしれませんね。
未来形は これから起こること、起りそうなことや、予定 を表します。 助動詞 will や be going to を動詞の原形の前に置いて、未来のことを表します。
現在完了形は?
そもそも、現在完了形ってなんでしょう? 現在形と現在進行形以外の時制、つまり、過去形や未来形が、英語では現在とはつながりのないことを表すのに対して、現在とつながっていることがらを表すのが、現在完了形です。
また頭の中を、はてなマークがたくさん泳ぎましたね? 現在完了形には、経験、継続、完了の三種類がありますが、経験は ~したことがあります という意味で、現在という視点にたって経験を振り返っているのです。
継続は、ずっと~しています という意味で、現在もその状態は継続しているのです。 完了は 現在までにそのことが完了したことを表します。 ~したところだ とか まだ~完了していない ということを表すので、現在の状態も含んでいるのです。重要なのは、経験、継続、完了の三種類とも、現在の時点に立って、現在と過去のある時点からの期間をつないでいることなのです。だから、現在のことを含めて語っているのです。
まだまだわかりにくいと思うかもしれませんね。現在とつながっているだとか、いないだとか、日本語にはない感覚なので、日本人にはわかりにくいのです。だから、いろんな例文を見て理解できたら、ああ!こんなもんなんだ!と思って、英語脳で受け入れてください。
現在完了形のかたち
ではまず、現在完了形のかたちについて勉強しましょう。現在完了形は 主語+ have + 過去分詞 が基本形です。 三単現のときは、have は has に変わります。
過去分詞の前には ever や never、just などを置くこともあります。
疑問文では、have を一番前に出して、Have + 主語 + 過去分詞 にします。疑問文の場合も、過去分詞の前に ever や never 、just などを置くこともあります。
否定文では、have のあとに not をおいて 主語 + have + not +過去分詞 にします。 not の代わりに never (一度もない)という強い否定語を使うこともあります。
経験用法
経験用法は、現在までに経験したことを表します。 ~したことがあります という日本語がこの用法には適していて、現在までに、何度したことがあるかを言えます。
I have been to Kyoto twice. と言えば、私は二回京都に行ったことがあります、という意味です。 過去形で I went to Kyoto ten years ago. と言った場合は、10年前に京都に行った ということだけを言っていますが、現在完了形だと、今を含めて現在までのことをすべて言うことができます。
疑問文は、Have を前に出すだけです。 三単現なら、Has she ~?ですね。Has she ever played tennis? は 彼女はピアノを弾いたことがありますか という意味です。
否定文では、過去分詞の前に never をおいて 主語+ have + never +過去分詞 にします。 never は 一度もない という強い否定の意味になります。
I have never visited Kyoto. は、 私は一度も京都を訪れたことがありません という意味です。
継続用法
継続用法は、ずっと~している という日本語が適しています。現在までずっとしていることを表し、今もしているということを言っているのです。
I have lived in Nara since ten years ago. 私は10年前から、奈良に住んでいます。 これは 今も住んでいることをも表します。
疑問文・Has she lived in Nara for a long time? は 彼女は長い間、奈良に住んでいますか? という意味で、
Yes, she has. か No, she hasn‘t. と答えます。
How long has she lived in Nara? 彼女はどのくらいの期間(どのくらい前から)、奈良に住んでいますか? と、 How long をつけて期間を聞くことも多い です。
この問いかけには、 She has lived in Nara for a year. のように現在完了形の肯定文で答えます。そうすると、今も住んでいるということも表現できます。
完了用法
完了用法は、ちょうど~したところです や すでに~しました という日本語が適しています。現在までに完了したことがらを表し、just, already, yet などを使って たった今、すでに、もう というような微妙なニュアンスの違いを表現できます。
I have just finished lunch. は 私はたった今、昼食を終えたところです という意味で、たった今、ちょうど というニュアンスは jist が出してくれています。
疑問文・Has she already finished lunch? は 彼女はもう昼食を終えましたか。 という意味です。 already という言葉は、 すでにもう というニュアンスを表現します。
否定文・She has not finished lunch yet. は 彼女はまだ昼食を済ませていません。 という意味です。 yet は もう という意味ですが、not とセットで使うと、 not~ yet で まだ~していない という意味になります。
現在完了形の3用法
いかがでしたか?経験用法、継続用法、完了用法、どれも過去のある時点から現在へとつながる時間の中のできごとを1つの文で表現することのできる便利な表現でしたね。現在完了って、日本語にはない概念なので、むずかしいな~と思うかも知れませんが、むずかしくはありませんよ。なぜなら、英語は形を覚えれば、そのパターンは共通して使えるからです。
基本は 主語+have +過去分詞、三単現のときは、have が has に変わります。 ever, never, just, already などは 過去分詞の前に置きますが、yet は 文末に置きます。 英語は位置が大切なことばなので、位置はしっかり覚えましょうね。
yet は 疑問文では もう~しましたか? という意味で使いますが、 否定文では not ~ yet は まだ ~ していない という意味になります。 えー!意味が変わるの? と思うかも知れませんが、 もうした が 否定文で まだしていない になるのは 自然なことですから、心のバリアを取り払ってみてくださいね。
現在完了形は
★経験
★継続
★完了
この3つの用法の意味がわかれば、あとは 主語+ have + 過去分詞 という形と、付属することば ever, never, just, already, yet などの使い方を覚えるだけです。一見むずかしそうな現在完了形も、わかれば意外と便利な言い方なので、がんばりましょうね。
大切なアドバイス
もうひとつ大切なアドバイスがあります。よい英語をまねして、繰り返ししゃべることはとても大切なのですよ。しゃべればしゃべるほど、英語は自然にじぶんの中に入ってきます。それが自然なことばとして、口からでてくるようになります。それは英語脳とも言うんですけど、なんども書いてスペルを覚えようとしているときも、発音しながら書くとどうでしょう? 口に出すことによって、しぜんに英語が入ってくると同時に、正しい発音でスペルを覚えられるんです。
英語の文字と音がリンクしていくんですね。 I want you to be a good English speaker!
黒板を見なさい!って英語でどう言いますか?Look the black board. ですか?正しいと思いますか?間違っていると思いますか?
はい!これは間違っていますよね。 なにか足りないですよね?何でしょう。 Look at the black board. が正しいのです。Look のあとに at がいるんです。 なんと現役の東大生でもこんな間違いをよくするそうです。なぜだとおもいますか?
それはね、頭ではわかっているけれども、身体で覚えていないからです。言葉はほんらい体で覚えるもの。みなさんだって小さいころから、聞いてまねして、身体で日本語を覚えたんです。日本語に文法から入門した人なんでいないと思いますよ。
中学生のみなさんは、テストで点がとれればいいと思っているので、声に出して英語をしゃべることは二の次にしがちです。学校でも、ライティング、リーディング、リスニングのテストはよく行われますが、スピーキングのテストは少ないですね。でも実は、英語を声に出して正しく発音していれば、リスニングの点数が上がります。正しく発音することで、その音が聞き取れるようになるのです。英語を口に出すことを楽しんでがんばってほしいと思います。Do your best,please!